30分学習 普天間基地問題

沖縄の米軍普天間基地問題で
鈴木康司さんの報告を聞きました

7月度の理事会の30分学習

 7月22日の奈良県アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会(ナラーラ)の理事会では、定例になっている30分学習で、会員の鈴木康司さんが、沖縄の米軍普天間基地問題について報告されました。
 鈴木さんは、別項の6項目のクイズを準備して、それへの参加者の回答を求めながら、米軍普天間基地問題について、その歴史も踏まえ、実態を明らかにされながら、説明されました。
 この学習を通じて、あらためて沖縄の米軍基地の位置づけと、県民の生々しい実態を深く知ることができ、良い勉強になりました。
 

6項目のクイズ
設問はつぎの6項目です。
 ①アメリカの海兵隊は、ソビエトと戦うためにつくられた軍隊である。
(A.イエス  B ノー)
 ②在沖縄海兵隊は、イラクやアフガニスタンで闘い、戦死者をだしたことがある?
(A.ある  B ない)
③那覇市に米軍基地はない?
(A.ある  B ない)
④日本の米軍・駐留「支援金」は、NATO各国(17)の支払う金額を超えている?
(A.超えている  B 越えていない)
⑤辺野古の町会(区)は、政府が各家庭に1億円くれたら、普天間基地の移設に“賛成”することを決議した
(A.イエス  B ノー)
⑥沖縄に米軍基地がある場合と、ない場合では、どちらが雇用と税収が多いか?
(A.在る場合  B ない場合)
さて、みなさんはどうお答えになるでしょうか。


クイズのこたえ 
鈴木さんの用意したこたえは、資料も含めてA4で14ページにわたるものですが、ここでは、こたえを要約して紹介することとします。

①の正解  B 
 アメリカの海兵隊がつくられたのは、1775年(日本はまだ江戸時代)で、イギリスの海兵隊をまねて結成された。当時は戦艦といっても帆船が主だったが、その艦内警備・艦隊戦の戦闘要員が任務だった。イギリスからの独立戦争では、船から船へ海賊よろしく乗り移って戦った。隊員は荒くれ者が多かった。
 アメリカの陸軍にも海軍にも属さないため、その後140年間ほどは“厄介者”という存在だった。
 現在、海兵隊は、3つの遠征軍で成り立っている。海兵隊は陸戦部隊とともに、独自の艦船、航空機の部隊ももっている。
 第一海兵遠征軍------司令部・米西海岸のカリフォルニア
 第二海兵遠征軍------司令部・米東海岸のノースカロライナ
 第三海兵遠征軍------司令部・日本の沖縄(異常!!)
           この部隊の戦闘機は山口の岩国を基地としている。
           戦闘機材などを載せる船は長崎県の佐世保が基地である。
           兵士が駐屯し訓練しているのは沖縄本島の中部、北部
 「海兵隊は“海外遠征部隊”であり、日本を守る任務は与えられていない」(国防長官の米議会での証言)。 

②の正解  A  
9・11同時テロの発生した2004年12月から2009年12月までの間に、約2万2千の兵士が沖縄からイラクやアフガニスタンに出撃している。年平均3千から4千人。2004年に数千人の市民を殺したイラクのファルージャへの総攻撃にも参加し、このとき20数名の戦死者を出している。
「沖縄の海兵隊は『抑止力』」というのは、妥当性を欠いている。

③の正解  A
 那覇市にも米陸軍の軍港がある。
 那覇市から国道58号線(米軍が占領時代につくった道路)を北へ進むと、浦添市、宜野湾市、北谷町、嘉手納町、読谷町と米軍基地が延々と続いている。
 浦添市には“牧港補給基地”、宜野湾市には“普天間飛行場”、北谷町には“キャンプ瑞慶覧(補給)”と“キャンプ桑江(病院と学校)”、嘉手納町には“嘉手納飛行場”、読谷町には“嘉手納弾薬庫”と、道路の左に右に、米軍基地が連なっている。高速道路を走っては、見れない光景である。嘉手納町は町の面積の83%を基地が占めており、残りの13%の土地に、1万4千人が住んでいる。
 東側の太平洋沿岸にも、金武町の60%、宜野座村の50%を米軍基地が占め、名護市にもキャンプ・シュワブなど、米軍基地と演習場がある。

④の正解  A
最近の資料がないが、2001年には、日本は「対米防衛援助」として、NATO
の3倍を出している。 NATOのなかでも、フランス、カナダは援助そのものをしていない。
 日本:約530億円    NATO:約170億円
 日本政府による米軍人・軍属の駐留費“肩代わり”金額は、国民一人当たり約1800万円になる。これは国民が収めた税金によるものである。 

⑤の正解  A
 名護市辺野古の区行政委員会は1億5千万円の生活保障などを要求している。
 2010年7月にも再決議している。
 前回の市長選では、賛成派、反対派が入り乱れて乱闘となった。放火・傷害事件も発生した。
 自治体財政を見ると、歳入に占める基地関係の収入が大きな比率をしめている。
 宜野座村:約40%  金武町:約30%  恩納村:約25%
 その他の町村も15%
 生活に必要な土地の大半を基地として奪われている自治体は、基地のない自治体と比べて失業率が高い。
 基地関係の振興策で資金が投入されるほど失業率が高まり、財政の基地依存度が増し、地域経済の自立が遅れるという矛盾が浮き彫りになっている。

⑥の正解  B
 「産業らしい産業がない沖縄では、基地は“雇用”と“金”が湧き出る“オアシス”であり、沖縄では“基地オアシス”なしでは生きていけない」という論法がまかり通っている。
 その根拠とされているのは、「基地があるから政府は巨額の振興予算を毎年投入し、市町村は“基地周辺対策”や“特別交付金”をもらうことができる。基地は県庁の職員数にも匹敵する9千人もの莫大な雇用を提供し、基地従業員に年間500億円を超える給与を保証し、4万人を超える基地内“住民”たちに毎年500億円もの消費支出と、米軍による100億円を超えるサービスを県内企業が受注している」というものである。
 しかし、ほんとうにそうなのだろうか。基地を返還された自治体では、基地の跡地を経済振興に使い、雇用も増え、税収も増えている。

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by naraala | 2010-09-08 17:26
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