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ナラーラの2010年度の活動方針と役員体制など

奈良県アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会(ナラーラ)
第八回総会開く
中塚明・奈良女子大学名誉教授が講演
活動の総括と方針、会計・監査報告を承認
新役員体制を決定


 奈良県アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会(ナラーラ)は、3月21日(土)午後2時から、さくら診療所で第八回総会をひらきました。
 第一部では、「韓国併合100年を考える講演会」が催され、中塚明・奈良女子大学名誉教授が、「韓国併合・その歴史を学ぶ------北東アジアの平和にむけて」と題して約一時間半にわたって講演されました。

 「韓国併合問題」を捉える視点を解明

 中塚先生は、「韓国併合」問題を「長いモノサシ」と「広い視野」で考える必要があることを中心に講演されました。
「長いモノサシ」とは、いまから100年前の1910年の併合の時点だけで見るべきでないこと。その35年前、1875年の日本海軍の江華島砲撃の時点から、すでに日本帝国は朝鮮=韓国に対する膨張主義のホコ先を向け、武力によって韓国の「開国」を迫った時点から始まっていることをしっかりととらえる必要があること。その上で「韓国併合」が 日本の軍事占領下で武力による威嚇のもとにおこなわれたこと。そして、それから35年後の1945年の帝国日本の敗北までの植民地支配の実態をしっかりとらえること。さらに、その時代に培われた、誤った古い「朝鮮観」が今日もなお受け継がれていることに思いを致す必要があることを強調されました。
 続いて「広い視野」で考えるということを中心に資料にもとづきながら講演されました。日本と韓国、日本と中国、日本とロシアというようにそれぞれの問題を個別に見るのではなく、19世紀の終わりから20世紀の初めにかけて、植民地の拡大を狙う列強=英、仏、露、独、米などの帝国主義諸国と、中国(清)、韓国=朝鮮、それに日本の関係を総合的に捉えて、それぞれの外交政策や戦略、その諸関係のなかで、「韓国併合」問題を見ていくことの重要性を懇切に話されました。
 資料として、1904~5年の日露戦争で、日露講和条約が締結された後、日本は、韓国に韓国統監府を設置、初代統監に伊藤博文が就任しました。その伊藤統監が1907年11月6日付で林董外務大臣に宛てた意見書「対外政策に関する伊藤韓国統監意見書」(外務省編纂『日本外交年表竝主要文書』上に所収)のコピーにもとづいて説明をくわえながら、英国政府の態度、ドイツの政略、日米の関係、満州問題などについて、伊藤の見解について説明されました。
さらに、アメリカは日露戦争での日本の勝利をどう見ていたのかを、金子堅太郎とセオドール・ルーズベルト大統領との会見始末にもとづいて説明、ルーズベルトが会談の当初から「主要な危険は、日本がうぬぼれて傲慢と侵略の全般的な経歴を辿りはしないかという点である」と問題を提起し、「傲慢と侵略の全般的な経歴」のなかには日清戦争当初の日本軍による韓国王宮の占領や、その後の韓国王妃=閔妃の殺害などがあることをアメリカは外交ファイルにしっかり入っていることを日本に示したことも明らかにされました。
講演の最後に中塚先生は「日本が過去に何をしてきたかをきちんと清算し、日本は中立でいくのだということを内外に宣言し、それを国際的に認めさせること、そうして初めて日本の独立はかちとることができる」ということを述べて講演をむすばれました。

活発に意見交換し「総括と方針」を確認

この後、第八回総会に移り、宮城恭子理事長が「長い歴史のなかでのAALAやナラーラの役割を自覚し、広い視野をもって、何をなすべきかを論議して活動していこう」とあいさつしました。
続いて、真下均事務局長が文書化された「2009年度活動の総括と2010年度活動方針案」にもとづいて提案、会計担当の上村啓子理事が「2009年度ナラーラ収支報告書」にもとづいて会計報告をおこないました。また、出席できなかった中村篤子会計監査の文書による監査報告を真下事務局長が読み上げ、これらの報告にもとづいて、出席者全員が発言するという活発な討論で意見を交換し、報告を全員一致で採択しました。
このあと、役員選出に移り、2010年度の新役員体制を決定しました。2009年度の理事のうち田中美智子理事が健康上の理由で退任し、新たに尾崎義美氏が理事に加わりました。

2010年度役員体制 
理事長    宮城恭子
事務局長真下 均
事務局次長  岡谷よし子 加藤東洋
理事井上清文 上村啓子 尾崎義美 北野重一 蔵元信子 中尾一郎 
西浦宏親 山崎直幸 山口英治
会計上村啓子
会計監査中村篤子



2010年度の活動方針

(1)活動の重点
①運動を発展させるためには組織の強化が必要です。日本AALA(アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会)のスローガンである「世界を知って連帯し、日本を変えよう」のもと、多くの人に組織拡大を訴えます。また中南和地域に会員拡大を働きかけます。
② アジア・アフリカ・ラテンアメリカ諸国との連帯はAALA(アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会)だからこそできる活動。多くの諸国民との友好・交流を深めるとりくみを計画します。
③ 学習活動は大きな力。情勢に見合った内容を企画していきます。

(2)活動方針
・安保条約廃棄、在日米軍基地撤去の運動をすすめます。当面、普天間基地からの米海兵隊の無条件・即時撤退をはじめとした基地反対運動を支援します
・憲法九条を守る運動をすすめ、自衛隊の海外派兵に反対します
・核兵器廃絶をめざした運動をすすめます
・歴史的事実に基づき、アジア諸国民にたいする戦争責任と謝罪を日本政府に求めていきます
・アメリカの戦争と抑圧政策に反対します
・地球温暖化など環境破壊をくいとめるためのとりくみを国際連帯の立場ですすめます
・アジア・アフリカ・ラテンアメリカをはじめとする諸外国との友好・交流を深める取り組みに参加します
・目標や課題で一致する諸団体との協力・共同につとめます
・学習や講演会・文化的活動を重視した活動を行います
・時期をみながら、スタディ・ツアーに取り組めるよう努力していきます
・会員相互の交流を大切にします
・会員拡大に積極的に取り組み、当面70名を目標とします
・理事会の定例化を重視します
・ナラーラ・ニュース、HPの充実に努めます
・収益性のいい、楽しめる事業活動に取り組みます
・財政活動の健全化に努めます



  ★ 活動年間スケジュール


2010年 
 4月  4.24バンドン会議55周年記念学習会
 5月
 6月  ミニ学習会
 7月
 8月  納涼交流会
 9月
10月  AALA創立55周年記念講演会(東京)
11月  講演会
12月

2011年 
 1月  新年会
 2月
 3月  ナラーラ第9回定期総会
by naraala | 2010-04-02 12:31 | 最新のお知らせ
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