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内村千尋さんを迎えての学習会

内村千尋さんから沖縄の状況を聞きました

生々しいお話にみんな感激しました

ナラーラの学習会


 2月10日(木)午後6時30分からのナラーラの理事会は、午後8時までの時間を、そっくりあてて、内村千尋さん(亡くなられた瀬長亀次郎さん・ふみさんの次女)から、沖縄県知事選後の生々しい沖縄県民の様子を詳しくお聞きしました。内村千尋さんは、昨年10月3日以来の来県で、今回は11日の大阪・寝屋川革新懇での講演の機会にナラーラの学習会に立ち寄っていただきました。当日は、理事以外の方々も参加して、内村さんのお話に耳を傾けました。
 内村さんが、那覇市の自宅の庭に咲いたと言って持ってこられた緋寒桜をテーブルに飾って、本土のマスコミではほとんどまともには報道されていない沖縄県民の実情について、淡々と、しかし、しっかりと事実に基づいて内村さんは話をされました。生々しい沖縄の現状についてのお話に、みんな感激しました。


プロ野球のキャンプで101億円の経済効果 

 最初に、名護市でおこなわれているプロ野球の日ハムのキャンプに、新規入団の斎藤投手の人気もあって、多数の観客が訪れ、「日刊ゲンダイ」紙が、「名護のホテルは連日満杯」「経済効果は15億円」と報ずるなど、各球団の沖縄でのキャンプによって県全体では101億円の経済効果がもたらされていることを報告されました。沖縄では、プロ野球の公式戦がおこなわれる球場がないため、キャンプが唯一のプロ野球を見ることができる機会で、「基地や戦争より、平和ななかでこそできる野球のキャンプの方がはるかに県民にとってもプラスになる」と結ばれました。

名護市への交付金凍結--米軍占領下と同じ手法

 続いて、民主党が政権に着いている日本政府が、普天間基地機能の名護市への移設に反対している名護市にたいして、米軍再編推進法に基づく対象自治体へ支払う約16億円の「再編交付金」を交付しないことを決めたことについて、「沖縄タイムス」紙が2010年12月26日付の社説で、そのやり方は「米軍統治と似た手口だ」という見出しで、「1956年、米軍支配を糾弾していた瀬長亀次郎氏が那覇市長に当選すると、米軍政府は前市長時代に出していた戦災復興都市計画事業費の補助金を打ち切った。さらに米軍が大株主だった琉球銀行は那覇市の貯金を凍結したほか、都市計画事業への融資もストップさせた。」「瀬長市政を支えたのは市民だった。市長を守るには納税だ--と市民が市役所に長い列をつくった。前年度の市民税納付率77%は、市長選後に86%になり、最高97%に上がった。那覇市は自前の予算で各種事業を展開した。」と当時の事情を報じた後、「民主党政権に権力者のおごりはないか。市民は必ずそれを見抜くだろう。」と結んでいるのを紹介されました。
そして、同紙の2011年1月3日付に内村さんの投稿が「名護市にふるさと納税 圧力に屈せず支援の輪を」という見出しで掲載されたことを示し、そのなかで「父(瀬長亀次郎氏)は那覇市長を布令で追放された時、『僕は勝ちました。アメリカは負けたのです』と高らかに宣言した。日米政府に辺野古移設を断念させ、稲嶺市長が『沖縄は勝ちました……』という宣言が一日も早く実現するよう、私も支援していきたい。」強調したことを述べられました。ちなみに、名護市への「ふるさと納税」は2010年度の申込件数は前年にくらべて、件数で12倍の49件、金額は約2.2倍で472万4千円となり、申込書にある「ご意見・応援メッセージ欄には『辺野古移設に反対する稲嶺市長を支持する』「基地を受け入れなければ金をやらないという国の態度は許せない」「基地に頼らないまちづくりを応援する」などと稲嶺市の政治姿勢に対する共感が多くつづられていることも紹介されました。


「海兵隊は65年前に終わった戦争の遺物」米下院議員が明言

 関連して、琉球新報のワシントン特派員として活躍している優秀な記者の一人である与那嶺路代記者が、雑誌『世界』2月号に寄稿した「経済危機が揺るがす在外米軍体制 経済問題化する軍事費」を紹介されました。そこには「国防総省の当事者の一人マレン統合参謀本部議長は、二〇一〇年に入り『米国の安産保障の最大の脅威は、債務だ』と、膨れあがる財政赤字に警告を発した。最大の脅威はイランでも北朝鮮でもなく『国の抱える借金』だと、米軍制服組のトップが公言したのだ。」「軍事費削減を求める声はワシントンのあちこちでわき上がっている。超党派の国会議員らは五月、『持続可能な軍事検討グループ』を有志で立ち上げた。」「議員に賛同を呼びかけた民主党重鎮のバーニー・フランク下院議員は、それまでも米メディアにたびたび露出し『米国が世界の警察だという見解は冷戦の遺物であり、時代遅れだ。一万五〇〇〇人の在沖海兵隊が中国に上陸し、何百万もの中国軍と闘うなんて誰も思っていない。彼らは六五年前に終わった戦争の遺物だ。沖縄に海兵隊はいらない』と公言してきた人物。」などと書かれていて、こういう意見がアメリカ国内にあるにもかかわらず、日本政府が、在沖海兵隊が「抑止力である」といって同海兵隊基地の県内移設を強引におしすすめようしていることを批判しました。
また、与那嶺路代記者は、琉球新報にも米軍基地問題を連載していることも紹介されました。


「県内移設反対」が県民の意思

 その沖縄で12月から始まった日米合同演習の影響で、民間航空機の運航にも支障が生じ、宅配便が届かないという事態も起きていることを話されました。そうした中で、政府の閣僚や官僚があいついで沖縄を訪問、普天間基地の県内移設を押しつけようとしており、これに対して県民の民意を踏みにじる行為だと批判の声が高まっていることを報告されました。
県知事選で仲井真知事が当選はしましたが、元宜野湾市長の伊波候補との間で、当日投票では伊波候補の方が勝っているという激しい追い上げで、しかも仲井真知事自身が、選挙中に「県内移設反対」を公約として掲げざるをえなかったということもあり、当選後も県民の民意に従わざるを得ない姿勢をとり続けていることが、県内移設を進めようとする政府の大きな障害になっていることを明らかにされました。


嘉手納基地の爆音被害に2万人超の告発が始まる

 こうした中、沖縄に駐留する米軍機だけでなく、アラスカや日本本土に駐留するF16戦闘機やF22戦闘機など外来機の飛来が増え1月21日現在で、その数は30機を超えるという異常事態になっていることが明らかにされました。そして、その訓練による騒音が住民に大きな精神的苦痛・被害をおよぼしており、嘉手納基地周辺住民2万人余が「米軍機の夜間・早朝の飛行を止めよう」と提訴に向けて準備していることが報告されました。騒音被害だけではなく、その訓練をする水域がどんどんひろげられ、そこには日本の漁船が立ち入ることができないため、漁業にも被害がでていることも示し、3月をめざす提訴の意義を強調されました。

「胸騒ぎのする事態が広がっている」

 一方、「自民党政府のときよりひどい」といわれる事態が次々と明らかになり、内村さん自身「胸騒ぎのする事態が広がっている」ことを報告されました。ひとつは、東村高江の米軍ヘリパッド基地建設のための作業が、3月にはいると同地域のヤンバルクイナの繁殖期にはいるため、なんとか2月中に終えようと、住民の反対を押し切って、強引に進められようとしていることを報告されました。そして、これに対して住民は「あくまで非暴力でたたかう」ことを確認して、粘り強くがんばっていること、いっそうの支援が必要なことを訴えられました。
 また、米海兵隊の普天間基地の移転先の候補地とされている名護市辺野古では、キャンプシュワブと民間地の間に合って鉄条網が取り払われてコンクリートの壁づくりが始められていること、また同地域に防衛施設局の事務所建設も進められており、緊迫した情勢になっていることを報告されました。
 沖縄では、県民世論は「県内移設反対」が圧倒的な多数となっており、そこに確信を持ちながらたたかっていくことを表明されて、報告をしめくくられました。

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by naraala | 2011-02-22 21:12